第351章

チャリティーパーティーに参加するのであって、ミスコンテストに出場するわけではないのだ。服装とメイクさえTPOをわきまえていればそれでいい。わざわざメイクアップアーティストを雇う必要など、どこにもなかった。

「それに……」

「疲れたわ。少し休みたいの」

前田南は彼の言葉を遮るようにそう言った。彼女には、聞く耳すら持たないという態度がありありと見て取れた。

望月琛が失望しなかったと言えば、嘘になる。

だが、すべては自業自得だ。前田南と娘に借りをこさえたのは、他ならぬ自分自身なのだから。

今はククが『パパ』と呼んでくれる。前田南も、他人の前では夫婦として振る舞ってくれる。今の彼にとって...

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